勉強の王道は「孫子」の言葉

権威あるIEEE(米国電気電子学会)機関誌に論文を掲載(共著)。

しかし、多忙な中でどうやってこれだけ多くを学べたのか。冨田氏は「孫子」の言葉“彼を知り、己を知れば、百戦殆(あや)うからず”こそが勉強の王道だという。何のための資格なのか、出題者がどう思い、どう答えてほしいかを知る。それが敵“彼”を知ることであり、同様に自分を知ることが大切だと説く。

「大学受験と同じで、教科書も勉強法も山のようにあります。その中で、自分に合った勉強スタイル、集中できる方法や環境を見つけないと。時間の有効活用のためにも絶対必要です」

例えば、冨田氏は睡眠時間を必ず90分の倍数にセット。3時間睡眠でもOK。過去に自分で何度も試した末の結論である。

「私にとって、電車の中が1番貴重な勉強時間。日立~東京間の出張が週に2~3回ありました。片道1時間半はかかりますから、往復するだけでもかなり時間を稼ぐことができました。米国に留学するときは相当な英語力が必要でしたが、英単語は電車の中ですべて覚えました」

冨田氏の持つ資格の中でも特筆すべきが、11年4月に取得した「プレミアムプロジェクトマネージャ」だ。ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナと続く社内PM認定制度の最高位。氏はその第1号認定者である。

経済産業省が定めたIT人材のスキル体系であるITSS(IT Skill Standard/ITスキル標準)でも最高位の“レベル7”相当。社内でも「世界で通用するプレーヤー」とされ、「年間売り上げ10億円以上、システムデザインが複雑なプロジェクトの責任者」といった実績を問う厳しい審査基準がある。

「マネジメントに対する評価なので、テスト勉強で取得できるのはシルバー、ゴールドまで。“プレミアム”は、これまでどんな難しい仕事を成し遂げ、どんな考察を行ってきたかを幹部との面接で確かめられます」