2013年8月6日(火)

「金のなる木」を逃さない!報・連・相入門

PRESIDENT 2011年1月3日号

著者
今井 繁之 いまい・しげゆき
シンキングマネジメント研究所所長

リコー、ソニー等を経て、1990年、論理的思考による問題解決・意思決定手法のより一層の普及のため、シンキングマネジメント研究所を設立。大手企業のほか、地方自治体の管理者を対象に研修指導を行っている。『ホウ・レン・ソウの基本 これだけシート!』など著書多数。

シンキングマネジメント研究所所長 今井繁之=文 大井明子=構成
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自分が現場にいなくても現場の必要な情報をすべて吸い上げるには──。ホウレンソウの達人が、部下から情報を引き出す質問、声かけ、雑談力の鍛え方を伝授する。

失敗談を披露して報告しやすくする

「若い社員が、まったくホウレンソウ(報告・連絡・相談)をしてくれないんですよ……」という管理職の嘆きを、最近よく耳にする。

一方の部下は、「ちゃんとやってます」と主張する。詳しく聞くと、すべてメールで報告していると言うのだ。しかし、上司は毎日山のようにメールを受け取るので見落とすことも多い。そして何より、メールでは細かいニュアンスが伝わりにくいし、コミュニケーションが一方的なので、本当に重要な情報がこぼれ落ちてしまう。

ビジネス環境の変化が激しい今日、現場のきめ細かい情報はますます貴重になっている。自分が現場に行けない分、現場を知る部下からどうやって情報をすくい上げるか。受け身の態度で、単に部下のホウレンソウを鵜呑みにするのではなく、積極的かつさりげなく、部下から情報を聞き出すことが求められる。

部下からのホウレンソウで最低限行うべきなのは、ネガティブな情報をすくい上げること。これはホウレンソウの「初級編」だ。

悪い報告は、上がってきにくいもの。自分に責任があればなおさら、叱責されるのを恐れるし、上司の手を煩わせるのを遠慮して、できるだけ自分だけで処理しようとする部下もいる。だが、ネガティブな情報こそ、できるだけ早く把握して対応しないと、取り返しのつかないことになりかねない。

上司の対応如何で、部下のホウレンソウからトラブルの予兆をつかむことができる。まずは、部下の話のどこからどこまでが「客観的事実」で、どれが「部下の意見・判断」かをはっきりさせ、現状を正確に把握しよう。

たとえば、「担当の○○デパートで、わが社の製品の売り上げが落ちています。どうやら、ライバル社がコミッションを上げたことが原因のようです」という報告があったとしよう。

「そうか、それはいかん。早速部長に相談して、わが社もコミッションを上げるよう手配しよう」という対応は拙速であると言わざるをえない。

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