2013年8月6日(火)

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なぜ、名経営者たちは聴衆を引きつけ、人を動かせるのか。音声、しぐさ、パフォーマンスの権威が映像を徹底分析したところ、本人も気づかないような意外な事実が見えてきた。

8割の人は腹式発声ができていない

阿吽の呼吸、以心伝心が尊ばれる日本では、人前で話すことへの意識が低い。欧米では子どもの頃から他人に自分の経験や考え方を伝える“Show and Tell”を訓練させられる。経営者ともなれば、プレゼンテーションやファシリテーションの訓練は一通り受けている。

ところが、日本では発声ひとつとっても関心を寄せる経営者は少ない。音の研究・開発を専門とする日本音響研究所の鈴木松美所長は、発声と自己表現についてこう説明する。

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2500~5000Hzで話せば、大声を出す必要はない

「聞き取りやすい発声は、トレーニングで身につきます。人前で話す機会があるなら、試しにレッスンを受ければその違いがわかるはずです。例えばお腹から声を出す“腹式発声”は、通常は10人のうち8人ができていません。これをマスターするだけでもコミュニケーション力はずいぶん高まります」

図からわかるように、人間の耳の感度がいい2500~5000Hzに合わせて発声すれば、大きな声を出さなくても相手の耳に届きやすくなる。腹式呼吸ができるようになれば、この周波数を出せるのだそうだ。

ほかにもポイントはある。強調したい言葉をはっきりトーンを上げて話す“音圧”。相手やポイントに合わせてスピードを変える“話速”。言葉に表情をつける“イントネーション”。Sの音をはっきり発音して清潔感を出す“高周波成分”。この5ポイントを訓練するだけでもかなり声の聞こえ方は違ってくる。

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