2013年8月30日(金)

大さじ1杯のマヨネーズでチャーハンがパラパラに

プレジデントFamily 2012年1月号

大塚常好=文 市来朋久=撮影 塩出尚子=撮影協力 先生:村居綾子

 

野菜とご飯を手早くササッと炒めれば出来上がりのチャーハン。でも、中華料理店のような強い火力のコンロがない限り、家庭で作ってもご飯がダマになったりベタベタしたりしがちだ。あの米粒がパラパラしたお店のようなチャーハンを家庭でも作れないものか。実は、簡単な方法が実在した! それは大さじ1杯のマヨネーズを使うことだったのだ。

――チャーハンは、最初に熱したフライパンに油を入れて具とご飯を炒めるのが普通ですが、油の代わりにマヨネーズを?

 

先生はい、1人分のご飯(200グラム)に対して、15グラム(大さじ1杯)のマヨネーズを使います。マヨネーズがフライパンの熱で溶け始めたら、温かいご飯(冷飯の場合、レンジで温めておく)を加えて、混ぜながら炒めます。すると、たちまちマヨネーズが全体にからまって、視覚的にも米粒がツヤツヤとし、パラッとした感じに仕上がります。具を入れてさらに炒め、味付けをしたら出来上がり。
 硬さや粘りを機械で測った実験では、通常の植物油で炒めた場合よりもパラパラになりました。あらかじめご飯とマヨネーズを混ぜておき、フライパンで炒めてもパラパラになります。マヨネーズの量は15グラム未満ではパラパラになりづらいです。逆に、15グラム以上入れると、ややマヨネーズ風味のするチャーハンになります。量は15グラム程度にしていただくと、見た目も風味もおいしいパラパラチャーハンの完成です。

――簡単ですね! でも、なぜ油をマヨネーズに代えるだけでご飯がパラパラになるのですか?

 

先生マヨネーズが、ご飯の一粒一粒をコーティングしてくれるから、米粒同士が付着しにくいんです。マヨネーズの主原料は植物油が約7割、残りの3割程度が卵黄、醸造酢、調味料などです。この中で普通ならば混じり合わない油と酢を、卵黄が取り持ちながら、液滴状になっています。その油、酢、卵黄の液滴が米粒の周りをコーティングするんです。

――卵のおかげなんですね。

 

先生卵の効果は実験で証明できました。ご飯をマヨネーズで炒めたり、卵黄なしのマヨネーズで炒めたり、条件を変えてチャーハンを作り、そのパラパラ度を計測するという実験をしました。結果、パラパラ度が高いのがマヨネーズで炒めたものでした。原料から卵黄を抜いたマヨネーズで炒めたものに関しては、あまりパラパラにならなかったのです。この結果、パラッとした仕上がりには卵黄が欠かせないことがわかりました。
 溶き卵をご飯にからめておいて油で炒める方法もありますが、それよりも効果的です。マヨネーズは乳化しているために、効率よく米粒を包むのです。

――卵黄にどんな秘密があるのでしょう?

 

先生卵黄の中でも特に重要な役割をしているのが、卵黄レシチンという脂質です。これは、天然の乳化剤ともいわれるもので、多くの食品、化粧品、医薬品に使用されています。

――で、マヨネーズで炒めたチャーハンはおいしい?

 

先生作ったチャーハンを人が食べておいしさを判断する官能評価では、油で炒めたものより、同量のマヨネーズで炒めたもののほうが、コクがあっておいしいという結果にもなったんですよ。

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大塚 常好