手始めに、先月、先々月の2カ月分だけでも収支表をつくってみよう。少なくとも今、家計が赤字かどうかはわかるはずだ。ただ、当然ながら、収支表は眺めるだけでは意味がない。収支表をつくる目的は、家計の問題点を浮き彫りにすることにある。

「きちんと家計簿をつけている人でも、つけただけで安心している例は少なくありません。それではせっかくの手間もムダ。将来の計画を実現するのに必要な貯蓄額を決め。使いすぎているのはどの項目か、どうすれば削減できるかを検討して予算を立てるのが、家計管理の最も重要なポイントです」(浅田さん)

どの項目を削減するかは、支出を固定費と変動費に分けてみるといい。固定費は住居費や水道光熱費、通信費、保険料など毎月決まって出ていく支出。それ以外の食費、被服費、こづかいなどは変動費だ。支出を削減するのは、固定費→変動費の順。たとえば保険を見直して毎月の保険料を下げれば、効果はその後もずっと継続する。節約のために延々と努力を続けなければならない食費のような項目の見直しは、その後でいい。

最近では、夫がパソコンで家計を管理するケースも増えている。エクセルで収支表をつくってもいいし、無料で使えるネット家計簿を試してみてもいいだろう。

家計管理能力が身についた家庭なら、収入が減っても耐えられる。定年後の生活も困ることはないはずだ。家計管理能力は、ある意味で「最大の財産」といえるかもしれない。

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