なかでも所得が高く、もっとも選択的消費・支出に余裕があるのは富裕高齢者である。子供が独立し、教育費や住宅ローンからも解放されているので、このセグメントには金銭的なゆとりが大きい。しかも高齢化にともなってこのセグメントは増え続けている。せっせと海外旅行に出かけているのもこの人たちで、今では世界中どこに行っても日本の高齢者の団体を見ない場所はなくなった。さしたる観光名所でもないスペインの片田舎に行っても、こうした団体を見かけるほどである。

それに続くのがDOM、私がダーティー・オールド・マン(アメリカでよく使われる表現で、“スケベジジイ”的な響きがある)と名付けているセグメントだ。比較的高収入で、女性に対して見栄をはる、まだ“成仏”していない中高年男性の消費者群である。最近の流行語なら「ちょい不良(ワル)オヤジ」というところか。自分たちは年金の心配もない“逃げきり世代”だから、とにかくお金を使ってしまおうとファッションや趣味にお金をかけ、あわよくば女性にモテたいという下心を持っている。今、伊勢丹メンズ館を賑わせているのはこの連中である。