昨今、このような好成果を耳にした地方の企業から「自分たちにも使えるようにしてくれないか」という要望が多くよせられるという。そこで同社では、数百万円単位のコストのかかる公式アカウントとは別に、「LINE@」という月額5250円の低価格バージョンを用意している。これにより地方の小売店や飲食店が自社のセールストークを発信したり、クーポンを配信したりすることによって、業績を向上させることが可能になるのだ。

すでに1億人以上のユーザーがいる海外市場だが、さらに拡大傾向にある。お話を聞いて意外だったのが、海外で1番最初にLINEが流行ったのは、中東地域だという点だ。サウジアラビアからスタートし、カタール、クウェート、エジプト、そしてUAEへと一気に普及していった。これは、クローズドな空間でのコミュニケーション・サービスということが、当該文化圏の人々に受けた理由であろう。

また、昨年末からスペインで急激なユーザー増があったのだが、そのわけはそれまで他社によってバラバラに存在していた機能がLINEのなかには全部そろっており、かつ無料で、さらにサービスの安定性がよく、レスポンスが早いという点にあった。スペインでの急成長とともに、アルゼンチンやチリ、ウルグアイといった南米でもユーザー数が伸びている。これは、共通の言語圏だったからである。同社では、グローバルでの成長過程にある現下、ビジネスチャンスを逃さないために、海外に舛田氏をはじめ人を送ったり、常勤者を置いたりしている。実際、台湾、韓国、香港、タイ、インドネシア、マレーシア、スペイン、米国などに常勤者を配置しているという。

グローバル・マーケットでの今後の量的、質的な成長が楽しみな企業である。

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