表参道にあるセレクトショップのH.P.Franceが運営しているhpgrpギャラリーで8月30日まで開催中の元田久治(もとだ・ひさはる)展を見てきました。元田久治は東京のランドマークである東京タワーや国会議事堂、誰でも知っている銀座や渋谷の街の風景を廃墟としてモノクロで描く版画の作品で知られ、最新作ではブルーやイエローを効果的に使った絵画作品にも挑戦していて、とても面白い展覧会になっています。

表参道のhpgrpギャラリ―で展覧会中の元田久治の作品。「Indication-Roppongi Hills 4」(2009年)協力:hpgrp Gallery
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表参道のhpgrpギャラリ―で展覧会中の元田久治の作品。「Indication-Roppongi Hills 4」(2009年)協力:hpgrp Gallery

さらに、彼の作品は、現在、フジテレビの木曜深夜にオンエアされている話題のアニメ番組「東京マグニチュード8.0」(橘正紀監督)のオープニングで彼の廃墟シリーズが全面的に使われています。元田作品の魅力の1つは、単なる廃墟ではなく、画面の手前に小さい雑草の芽が出ていたりしていて、なにかしら未来を感じることが出来る点なので、「東京マグニチュード8.0」の直下型地震を受けた近未来の東京の物語と非常にマッチしているのだと思います。

元田久治との出会いは、私の著書『Warriors of Art』(講談社インターナショナル)で作品を紹介したことで、その直後から、たくさんの方々から問合せがあったこともあり、今は、私が応援しているアーティストの一人です。アーティストというのは、日本の中で生活していることが多いのですが、私が元田久治にアドバイスし、今秋から文化庁の海外留学制度を活用して、オーストラリアのメルボルンとサンフランシスコに留学することになりました。彼のように作品が個性的で面白いアーティストは、さらに海外の現代アートの現状を知ったり、最新のさまざまな技法を比較して開発したり、海外でたくさんの人と知り合うことでネットワークが広がり、経験を積めることがとても良いことだと思っています。今後のさらなる進展を期待して送り出したいと思います。

時を同じくして、もう一人、友人で元モルガン・スタンレー証券株式会社 投資銀行本部に勤務しておられ、今秋からロンドンのクリスティーズで西洋美術史などを学ぶために留学する寺瀬由紀さんがいます。クリスティーズで学ぶ、というのは、クリスティーズ・エデュケーションのことです。ロンドンとニューヨークで開講し、学生の年齢も国籍もさまざまで、大学で法律や経済学などの専門的なものを学び、ビジネスマンとして成功を収めた方などが受講するケースも多い、アートの世界では国際的に有名な教育機関です。寺瀬さんによれば、世界中から集まる人材の魅力と一流オークションハウスによる実務的な講義により、勉学で得られる知識にひけをとらない人的ネットワークやビジネスチャンスの獲得が可能となる点も魅力なのだそうです。

幼い頃から海外で育ち、大学では飛び級をするほど優秀で、素晴らしいビジネスウーマンのキャリアを持つ彼女が、現代アートに興味を持ってくださっていることに感激し、お話を伺いました。