公立並みの費用で私立幼稚園に通える区

育児補助には、「出産手当金」「育児休業基本給付金」、子供が小学6年生になるまでもらえる「児童手当」など国から支給されるものと、「妊婦検診費用助成」や「医療費助成」など自治体から支給されるものがある。

出生率が大幅アップした区の子育て支援リスト
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出生率が大幅アップした区の子育て支援リスト

補助の大きさに差が出るのは自治体独自の支援だ。たとえば、妊婦検診費用助成は14回無料が基本だが、自治体の財政や方針によってはそれ以下の場合も少なくない。育児補助の手厚さで他の自治体の追随を許さないのはやはり財政が豊かな東京23区だ。

なかでも突出しているのが江戸川区。国からの補助では足りない部分に対して補助が満遍なく行き渡っている。まず「乳児養育手当」として、0歳児を養育している世帯に月額1万3000円が支給される(所得制限あり)ほか、ベビーシッターなどの民間サービスより安く利用できる保育ママ(自治体から認定を受け、自宅などで少人数保育を行う)制度の歴史が長く、0歳児保育士の不足に対応できる人数を揃えている。

また私立幼稚園は公立と比べて7倍の通園費がかかるといわれているが、江戸川区では私立幼稚園に通う場合にこの差額を補助し、公立並みの費用で通うことができる。さらに小中学校に進学すると、給食費の3分の1程度が自治体の負担となる。

杉並区では、「杉並子育て応援券」という育児支援チケットを発行している。区内の事業者と提携した杉並区独自のサービスで、0~2歳は年額6万円、3~5歳は年額3万円分の応援券が配布される。このチケットで利用できるのは、一時保育、子育て講座、親子参加行事などの有料サービスで、使用期限はあるが、配布額が大きく、何より、サービス数が導入当時より増えて充実しているので、子育てに悩む親には魅力的である。